And with the summer sport season shifting into high gear, these small yet crucial precautionary measures may be what will keep health risks at bay.
「そして夏のスポーツ・シーズンが最高潮となるにつれて、これらのちょっとした、しかしきわめて重要な(熱中症の)予防措置は健康へのリスクを遠ざけるものとなるかもしれない」
(Alex K.T. Martin, 'Scorched youth' The Japan Times Weekend, July 27-28, 2024, p. 10)
in(to) high gearは文字通りには車の運転に関して「トップギアで」という意味ですが、ギアをトップに入れると最も車の速度が上がることから、車の運転以外の事柄について用いられるときは比喩的に「(活動やエネルギー・力が)最高の状態で・最高潮で」という意味となります。
これと類似の表現として、「(行事やパーティーなどが)たけなわで」といった意味でin(to) full swingという表現があり、今回取り上げた文でもこの表現に言い換えることができます。この表現の中のswingは「振れること」から転じて「状況・活動の進展」といった意味で用いられています。
2つ目のkeep ... at bayというイディオムに関連するのは、「(大阪湾などの)湾」を表すbayとは同じ綴りで「窮地」「追い詰められている状態」という意味を表す異語で、敵や問題など何か好ましくない人や物を ... の部分において「寄せ付けない」「食い止める」といった意味となります。keepの代わりにhold ... at bayとしても同じ意味です。
なお、上記の例文の前半のカンマの前までの部分は、「with+名詞(the summer sport season)+分詞(shifting into high gear)」の形でいわゆる付帯状況を表していて、このwithの用法は自分でも使いこなせるようになっておくと何かと便利です。
このwithの用法では名詞と分詞の間にbe動詞 (上記の文の場合is) を入れないのがポイントです。また、名詞のあとは分詞に限らず形容詞・副詞・前置詞句をおくことができ、例えば以下の例文(ジーニアス英和辞典)のような使い方ができます。
¶Don't speak with your mouth full.(口いっぱいに食べ物をほおばって物を言うな)