... China's newest nuclear-powered attack submarine sank in the spring, dealing a major blow to Beijing as it seeks to showcase its growing military prowess amid its rivalry with the United States.
「中国の最新の攻撃型原子力潜水艦が春に沈没し、アメリカとの覇権争いの中、増大しつつあるすぐれた軍事的実力を誇示しようと努めている中国政府にとって大きな打撃となった」
(Jesse Johnson, 'Chinese submarine sank this year, U.S. says' The Japan Times Weekend, September 28-29, 2024, p. 1)
deal a blowはフォーマルな表現で、文字通りには「~を打つ・たたく・なぐる」という意味ですが、新聞などのジャーナリズムでは通常は比喩的な意味となり、「(人などにとって)ショッキングな」「(計画などの実現に)痛手となる」といった意味となります。
dealという動詞はトランプのカードなどが目的語にくると「配る」という意味となり、この場合のdealはdistribute, give outと言い換えられます。
¶He dealt seven cards (out) to each of us.(彼は私たちに7枚ずつカードを配った)
(例文はジーニアス英和辞典より・以下同様)
一方、このdeal a blowという表現の中のdealは上記の「配る」とは異なる意味で、別の一語動詞ではdeliver, administerと言い換えられます。
これら2つの動詞は(あまりなじみはないかもしれませんが)以下の例文のように「(打撃や攻撃などを)与える」(=give)という意味を持つことがあり(この意味でadministerを用いるのは堅い用法)、deal a blowのdealも文字通りにはこの意味を表します。
¶deliver a hard blow to his jaw(彼のあごに強打を見舞う)
¶The fighter administered a blow to his opponent.(ボクサーは対戦相手にパンチを見舞った)
また、dealが直接に目的語を取らず、前置詞のwithを伴ったdeal withという形になると「(問題などを)処理する」「(事柄を)扱う」というおなじみの意味となります。
¶We need to develop ways to deal with such crimes.(我々はそのような犯罪に対処する方法を考案する必要がある)
¶His lecture dealt with air pollution.(彼の講演は大気汚染を扱ったものであった)
なお、上記の新聞記事の文で、'..., dealing a blow to ...' とカンマの後でdealがing形となっているのはいわゆる分詞構文で、カンマの前に述べられた事柄に引き続いて動作や出来事が起こるという付帯状況を示し、「~して、そして…」という意味となります。
また、ジャーナリズムではある国の首都名でその国の政府のことを指すことがあり、冒頭の文でもBeijing(北京)で中国政府のことを指しています。