And when it comes to China, it is glaringly apparent that industry and EU policymakers are not on the same page.
「そして中国に関して言えば、産業界とEUの政策決定者たちが共通の認識を持っていないことはきわめて明らかだ」
(Akhil Ramesh, 'The West is playing a game of 'whack-a-mole' as China dominates EV and battery sectors' The Japan Times Weekend, August 3-4, 2024, p. 9)
表題の表現は、直訳では複数の人たちや集団が「同じページに載っている」ということになりますが、これは皆の意見が一致していて、目指すものが同じである、という意味のイディオムで、主にアメリカ英語で使われます。
ジーニアス英和辞典の例文もご紹介します。
¶Employers and employees are on the same page when it comes to retirement benefits.(退職手当のことに関して言えば、労使とも意見の一致が見られる)
冒頭の新聞記事の文ではこの表現が否定文で使われているところ、「共通の認識を持っていない」ことを表す場合は 'be on a different page' と表現できそうな気もしますが、私が英英辞典やコーパスを使って調べた限りではこのような表現はありませんでした。
(このように書かれていた場合、通常は文字通り複数の事柄が本などで別のページに書かれていることを意味することになります。)
この文はアメリカなどと協調して、関税引き上げなどによって中国の勢いを封じ込めたいEU(ヨーロッパ連合)の政策決定者たちと、中国に対抗することで中国でビジネスがやりにくくなることを恐れるEU域内の産業界とで考えが一致していないことを意味しています。
ちなみにこの文の冒頭の 'when it comes to ...' という表現は、新たな話題を持ち出すときによく使う便利なフレーズなのでこれも覚えておくとよいでしょう(上記のジーニアス英和辞典の例文の中でも使われています)。