The 24-year-old former amateur yokozuna has been on fire since turning pro 14 months ago and already stands on the verge of promotion to sumo’s second highest rank.
「24歳の元アマチュア横綱(大の里)は14カ月前にプロに転向して以来絶好調で、すでに相撲で二番目に高い地位(大関)に昇進する寸前である」
(John Gunning, 'Onosato poised to continue rapid ascent in Nagoya' The Japan Times Weekend, July 13-14, 2024, p. 6)
be on fireという表現は物が主語であれば文字通り「(本来燃えるべきでない物が)燃えている」という意味となりますが(ちなみに 'set ... on fire' で「~に火をつける・放火する」)、
上記の文のように主語が人の場合はこのような意味とはならず、比喩的に「絶好調」('playing, working, etc. extremely well': Cambridge English Dictionary) という意味のイディオムとなります。
vergeは「縁(ふち)・境界」を意味する言葉ですが、この意味から連想してon the verge ofというフレーズは「~する寸前である・今にも~する」という意味を表します。英和辞典の中には戦争など何か好ましくない事態について用いる表現であると書かれているものもありますが、上記の文にもあるように昇進など好ましい事態についても問題なく用いられます。
be動詞にこのフレーズを続けて例えば 'He was on the verge of (bursting into) tears.'(彼は泣き出す寸前だった)という具合に表すことができますが、今回取り上げた例文のように、standという「ある特定の状況にある」という意味を表す動詞に引き続いて用いることも可能です。
'on the verge of' に限らず、あるフレーズを自分で使いこなすには、そのフレーズの意味をただ知っているだけでは不十分で、それが典型的にどのような動詞とともに用いられるのか、言葉と言葉の自然なつながり(コロケーション)について常に意識するようにしなければなりません。